一 / maguro butsugiri teishoku
マグロぶつ切り定食
豊洲より朝に届く本鮪を、無造作に角切りに。醤油の香りと、米の温度。昼の客の大半が、これを頼む。
築 地 場 外、
八 十 八 年。
Takeno / Est. 1938
Tsukiji ・ Est. 1938
暖簾の奥、
変わらぬ板場。
─ 創業 昭和十三年(一九三八)
場外の路地、暖簾をくぐれば板場の音。多け乃は昭和十三年、築地に開いた小さな食堂である。市場で働く人の朝の腹、観光客の昼、そして仕事を終えた職人の夕暮れ。その全てを、同じ一軒で受けてきた。
昼から夜まで、通しで灯りを絶やさない。飯を食う客の隣で、もう一方は熱燗を傾ける。それが当たり前の店である。仕入れは目の前の場外と豊洲。煮魚は朝に下処理を済ませ、注文ごとに地を張る。難しいことは、一つもない。
四代、家族で続けている。看板は古び、椅子も古び、味だけが日々あたらしい。
品書きより
献立は仕入れに従う。記すのは、店に並び続けてきた看板のみ。日々の魚は、板場までお尋ねを。
一 / maguro butsugiri teishoku
豊洲より朝に届く本鮪を、無造作に角切りに。醤油の香りと、米の温度。昼の客の大半が、これを頼む。
二 / nizakana
甘辛い醤油の地で、骨際までゆっくりと炊く。脂の落ちる音と、湯気だけで成立する一皿。仕入れ次第、その日の魚を。
三 / sashi-mori teishoku
白身、赤身、貝、光物。市場の今朝の顔ぶれを、一皿にまとめて。盛りに迷いはない。
四 / anago shiroyaki
塩のみ。皮目をぱりと、身はふくよかに。山葵と酢橘、酒の一本に寄り添う、夕刻からの一品。
朝仕込みの一皿 / Simmered at dawn
骨際まで、
ゆっくりと。
本日の煮魚、火を落とす直前。
時 価
魚は日々、海の事情に従う。多け乃では定価を掲げない。気になる一品は、その都度、板場までお尋ねを。仕入れの確かなものから、順にお出しする。
─ Prices follow the morning market. Please ask at the counter.
お運びの前に